23年ぶりに東京競馬場で開催された「第71回皐月賞」は、4番人気のオルフェーヴルが強烈な末脚を発揮し、後続に3馬身差をつける快勝でクラシック1冠目を制した。鞍上の池添、池江師は初の牡馬クラシック制覇。父ステイゴールド、母の父メジロマックイーン、兄ドリームジャーニーが果たせなかった東京G1制覇の夢をかなえた。
オルフェーヴルは道中は11番手。直線入り口で池添は突っ込むスペースを探していた。「一番の課題は折り合いなので、出たなりでリズム良く走らせることだけを心掛けていた。ギリギリ1頭分空いたところへちゅうちょなく行けた」。非凡な瞬発力で一気に馬群を割ると、最後は3馬身差をつける完勝だ。
気性が激しく、昨夏に新潟でデビュー戦を勝った時には、ゴール後に池添を振り落として放馬。ウイナーズサークルでの記念撮影も中止となった。池江師は「当時はイレ込みが凄くて、競走馬になれないかと思った」と振り返るほど。その一方で、潜在能力の非凡さを池添、陣営共に感じていた。競走馬として開花させるため、徹底的なレッスンが始まった。
「放牧先のノーザンファームしがらきで基礎をつくり、それを厩舎スタッフが受け継ぎ、さらにレースで池添君が教える」。トレーナーによれば“三位一体”の教育は、さながら金細工師が作品を仕上げる過程だ。2戦目の芙蓉Sから5戦目のきさらぎ賞まで白星から遠ざかっても、競走馬として着実に成長を遂げていた。直線、真っすぐに伸びて一気に勝負を決めたのは教育の何よりの成果だ。
「メジロマックイーンは東京2000メートル(91年天皇賞・秋)で悔しい思い(降着)を…。ステイゴールドも東京でG1を勝てなかった。ドリームジャーニーも3歳の時、力を出せなかった。この地でG1を勝てたことがうれしい」。父、母の父、兄の3頭全てに関わってきた池江師は一族悲願の東京G1制覇の感激に涙をこらえ切れなかった。
「競馬はブラッドスポーツ。これまで勉強してきたことがオルフェーヴルを調教する上で生きたね」
この馬こそ池江ブランドの結晶。まずクラシック1冠目を制し、次はダービー。その適性は皐月賞のレース後、既に示されていた。池添が感心しながらこう証言する。「ゴールした後も止まらず、やっと止めてもケロッとしていた。調教でもレースでもバテたのを見たことがない。本当にいい心臓を持っている」
レース後の走りは、まるで東京2400メートルもどんと来いのデモンストレーション。完成の域に近づくオルフェーヴルの末脚は、まばゆいばかりの輝きを放つ。
◆オルフェーヴル 父ステイゴールド 母オリエンタルアート(母の父メジロマックイーン) 牡3歳 栗東・池江厩舎所属 馬主・サンデーレーシング 生産者・北海道白老町白老ファーム 戦績7戦3勝 総獲得賞金2億2494万9000円。
▽オルフェーヴル フランス語で金細工師。父の(ステイ)ゴールド、母の(オリエンタル)アートからの連想。
スポニチアネックス 4月25日(月)7時3分配信
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