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【2026/02/12 07:02 】 |
<井崎脩五郎の予想上手の馬券ベタ>何と334キロ-中央競馬の最少馬体重記録を37年ぶりに破った

「ねえ、今度グランローズっていう馬が出走したら、百円の単勝馬券を10枚くらい買っといてくれる? お金はちゃんと払うから」

 そういうお願いをそこらじゅうでされて、頼まれた枚数の合計が、もう百枚を超してしまった。

 競馬場の記者室でこの話をしたら、「俺も頼まれた」「俺も」という人が何人もいた。

 わたくしに頼んできた人は、「その馬券持ってると、なんだか、負けるもんかっていう闘志がわいてくる感じがするじゃん」と言っている人がいちばん多い。「孫に持たせたら、小さくても丈夫に育ちそうで」と言っている人もいる。

 さて、このグランローズという馬、何者かというと、1月22日(土)に小倉の3歳新馬戦でデビューしたばかりの牝馬なのである。

 レース結果は、18頭立ての15着。単勝オッズ189・4倍というまるっきりの人気薄(15番人気)で、そのレースぶりも後方のままでまったく冴えず、良馬場の芝1200メートルを走るのに1分12秒1を要し、勝ち馬から3秒0もちぎり捨てられたその他大勢の1頭だったのだが、注目を集めているのはその体重。なんと、たった334キロしかなかったのだ。

 じつは、これは中央競馬のレコードなのである。中央競馬で、これまでいちばん体重の少なかった馬は、1973年4月に記録されたジャンヌダルク(当時3歳)の336キロだったのだが、グランローズはこの記録を約37年ぶりに破った。

 これほど小さい馬が、よくぞ競走馬になれたものだと思う。小さいながらも、きつい調教に耐えうる丈夫な四肢と心肺機能を持っているのだろう。

 血統は、父がG1・高松宮記念を勝った良血馬キングヘイローで、母テンダリー(中央1勝)の父が大種牡馬サンデーサイレンス。所属は、獲得賞金日本一のあのテイエムオペラオーを育てあげた岩元市三厩舎である。

 今回のデビュー戦で、いちばん体重が少なかったのはこのグランローズの334キロで、逆に、いちばん体重が多かったのは516キロのオースミメイン(牡、11番人気、単勝オッズ46・2倍)。奇遇なことに、このグランローズとオースミメインがゴール前で競り合い、頭差で、小さいほうのグランローズが先着してみせたのは、見ものだった。

 このグランローズのことはスポーツ紙各紙で報道され、だから単勝馬券を買ってちょうだいという騒ぎになっているわけだが、記念に一枚、丈夫さにあやかって一枚という人が多いようだと、グランローズは2戦目で単勝の売り上げがまさかの1番人気になってしまう可能性がある。

 かつて、負け続けのハルウララの馬券が売れに売れていたとき、ヨーロッパの経済学者は「日本は本当に不況なのか」と懐疑した。

 はたしてグランローズでも、あれと同様の現象が起きていくのであろうか。

サンデー毎日 2月1日(火)18時39分配信

 

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