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プロゴルフのトーナメントで「サンデーバックナイン」というのがある。優勝が決まる日曜日(最終日)の残り9ホールのことだ。マラソンで言えば35キロ過ぎからの7キロ余、競馬では最後の直線。ドラマが展開される勝負どころである。 先週行われた男子ツアーの中日クラウンズ。石川遼がマークした“世界最少スコア58”は、この「サンデーバックナイン」での奇跡だった。 最終日、首位の丸山茂樹に6打差の18位でスタートした石川は、1番から5番までで、4つのバーディーを奪う。続く6番(パー4)では、残り15ヤードの第3打を直接カップに沈めた。「ここで何かが起きた気がした」と石川は人智を超えた領域を体感する。 後は何者かに導かれるようにしてすべてがうまくいく。10番から正念場のバックナインに移っても、神懸かり的なプレーは続き、5つのバーディーをマークして逆転優勝。ギャラリーの度肝を抜いた。 舞台となった名古屋GC和合は、ホールごとに変わる気まぐれな風と起伏のある硬いグリーンの難コース。攻略法は、危険を避けて手堅くパーを拾い、チャンスがきたときにバーディーを狙うのが定石である。 3日目まで首位の丸山や今シーズン出足好調の藤田寛之らは、豊富な経験と技術で和合コースとうまく折り合い、優勝を狙う好位置につけていた。 最終日の石川はこの先輩たちとは正反対の戦いを挑んだのだ。攻めのプレーに徹し、18ホールすべてでバーディーを狙う。それまでの3日間は、戦略性を要求する和合を意識しすぎたのか、持ち前の果敢な攻めが影を潜めていた。度々ショートするパッティングが如実に物語っている。 「そんなプレーでは、ファンが離れるよ」。父でコーチの勝美さんの一言で、石川は自分を取り戻す。パーは頭から消した。バーディーかボギーか。「技術的なことは何も変わっていません。ただ一点、攻めることだけに集中しました」 18ホールで12個のバーディー。かみ合うと、こんな数字がでるのがゴルフだと勝美さんは言う。難コースを力ずくでねじ伏せた石川を藤田は「常識の外、次世代型のゴルファー」と呼んだ。 和合の気難しい女神は、ひるまず異次元の戦いを挑んだ若武者を祝福した。そして、改めて勝負の世界の鉄則を思い起こさせた。「勝利の女神は臆病(おくびょう)者にはほほ笑まない」-。(福島保) 5月12日7時56分配信 産経新聞 PR |
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