前週の天皇賞・秋(GI)で牝馬4歳のブエナビスタは、鞍上のスミヨン騎手がムチを1発も入れることなく牡馬を相手に楽勝。GI5勝目を挙げ、牝馬の能力の高さを見せた格好だ。日本中央競馬会(JRA)が海外競馬並みにムチの使用制限に乗り出すだけに、ムチを使わずに後続を離すレース展開は、まさに模範的勝利といってもいい?
そのブエナビスタが昨年、苦杯をなめたのが、今年は11月14日に京都競馬場で開催されるエリザベス女王杯(GI、芝2200メートル、フルゲート18頭)だ。勝ったクィーンスプマンテ(11番人気)、2着のテイエムプリキュア(12番人気)の逃げ切りを許し、32秒9の豪脚を発揮して2頭を追ったブエナビスタだが、2着に首差届かずの3着に敗れた。おかげで3連単の配当は154万5760円の大波乱となった。
■快挙へ
さて、今年だが、前走の秋華賞を勝ってメジロラモーヌ、スティルインラブに次ぐ史上3頭目の牝馬三冠に輝いたアパパネが、これまでJRA史上最短の14戦目でGI5勝したナリタブライアンを抜いて10戦目でのGI5勝目に挑む。
秋華賞ではアニメイトバイオとの激しい競り合いとなった分、疲れが尾を引いたようだ。だが、3歳馬で過去10年、エ杯で3着以内に入った馬は前走が秋華賞で、その秋華賞で3着以内に入った馬の成績は【4・2・1・10】で、勝率23・5%、連対率は35・3%と頼もしいデータがGI5勝目を後押しするようだ。
さらに牝馬三冠レースで連対した実績のある馬は、エ杯でも大半が連対を果たしている。陣営も「テンションがいつもより高めなのが気になるが、エリザベス女王杯に向けていい状態にもっていくだけ」と構える。
■対抗は
24頭の特別登録馬のうち、3歳馬はアパパネを含めて6頭。アパパネとの勝負づけの点からいって、オークスでアパパネと史上初の1着同着したサンテミリオンがライバルとなるだろうが、サンテミリオンは秋華賞でまさかの最下位18着。出走するか未定だ。
そうなると、注目を集めるのが、英国から出走する3歳のスノーフェアリーか。英国オークスを1着するなどGI2勝、2着1回の実績は目を引く。1999年から外国馬の参戦が可能となったが、いまだに勝利はないのは難点だが、鞍上には日本にも短期免許でしばしば来日しているムーア。英国で2006、08、09年にリーディング1位になる腕前で、今年はワークフォース(牡3歳)で英国ダービー、凱旋門賞と世界的なレースを勝利しており、勢いに乗る27歳だ。
外国人騎手は研究熱心で知られ、日本の馬場も経験済みとなると侮れない。前週の天皇賞・秋でブエナビスタを1着に導いたのもフランスのトップ騎手のスミヨンだった。調教助手は「ぜひエリザベス女王杯を勝って、ジャパンカップに向かいたい」と意欲的なコメントをしているのも自信の表れか。初の外国馬の勝利…ということも。
■古馬は
この3歳馬の対決に古馬も割って入らなければうそだろう。実際、過去10年の成績で3歳馬【5・2・1・48】に対し、4歳以上の古馬も【5・8・9・82】の実績を残す。古馬でエ杯3着以内に入った馬の前走はJRAの重賞で【4・8・8・62】という結果。さらに、牝馬限定より牡馬との混合レースで結果を残した馬の方が【4・3・2・6】と勝率は26・7%と高い。
この条件に符合するのが、メイショウベルーガ(5歳)。前走のGII京都大賞典(2400メートル)では菊花賞馬オーケンブルースリに1/2差競り勝つ強いレースをした。今回は「具合はいい」(陣営)とのことで、陣営も「GIを取らせてあげたい」と意気込む。古馬で、2400メートル以上で連対経験のある馬はエ杯で【4・6・4・20】と、勝率11・8%、連対率29・4%のデータも背中を押す格好だ。
もう1頭、京都大賞典で3着したプロヴィナージュ(5歳)がいる。陣営は「この1年で思い描いた通りの成長をしてくれた」と手応えを感じている。(松本恵司)
産経新聞 11月7日(日)21時52分配信
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