1枠1番、アンカツで1着!!3歳馬の頂点を決する「第78回日本ダービー」の枠順が26日、確定。08、09、10年と3年連続で優勝馬が誕生している1番枠を引き当てたのは、青葉賞馬ウインバリアシオン。騎乗する安藤勝己騎手(51)にはダービー最年長Vの記録が懸かる。過去に1度も優勝がない青葉賞馬を大ベテランがどう導くか。ダービーは27日午後2時から一部ウインズで金曜発売される。
午後2時、注目の枠順が発表された。3年連続でダービー馬が誕生している幸運の1番枠をゲットしたのは本番と同コース、同距離のトライアル・青葉賞を制して挑むウインバリアシオンだ。
栗東トレセンの出馬投票所を訪れた松永昌博厩舎の森調教助手は「前に馬がいないと行きたがるので、ジワッと内で折り合いをつけて乗ってくれるのでは。いい枠だと思います」とラッキー枠に素直に喜びを表した。
08年ディープスカイは後方待機からのド派手な追い込み。09年ロジユニヴァースは好位3番手からの抜け出し。昨年のエイシンフラッシュは中団から馬群を割っての差し切り。1番枠から優勝した過去3年のダービー馬はそれぞれ三者三様のレースぶりだが、共通しているのはスタートから勝負どころの3~4コーナーまで、最内枠を生かして内ラチ沿いで脚をタメていた点。最も距離損の少ない経済コースで体力を温存することで、最後の直線で騎手が進路選択をする際に機敏な反応が可能になる。馬群の内に入ることで、折り合いの鍵となる「壁」をつくりやすいメリットもある。
ウインバリアシオンについて手綱を取る安藤勝は「前にスペースがあると行きたがるタイプ」という。現に昨年暮れのラジオNIKKEI杯2歳Sで4着に敗れた際は大外15番枠。馬群の外を終始回らされる形で折り合いを欠き、ハミで口を切って出血しながら戻ってきたほどだ。豪快な追い込みを決めた青葉賞は4番枠。道中は後方で前に馬を置いて我慢させ、4コーナーで大外に持ち出した。内ラチと他馬に囲まれるポジションを、自然につくり出せる最内枠は願ってもない好枠だ。
吉報を手にしたバリアシオンだが、ありがたくないジンクスも重くのしかかる。青葉賞馬は84年にレースが創設されて以来、1度もダービーを勝っていない。森助手は「そのデータは知っているけど、いい方(1番枠)を信じたいね。馬は本当に状態が良くて、本来の力を出せる出来だから」と話す。安藤勝も「ダービーでも特別に意識することはない」と泰然自若。勝てばダービーの最年長V記録を更新。42歳の遅い中央デビューから、数々の常識を覆してきた51歳の大ベテラン。ジンクスを打ち破るのは、この男しかいない。
スポニチアネックス 5月27日(金)7時1分配信
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